専門病院への転院
OPLL発症後1か月半の時を経て、県内のリハビリテーション専門病院に転院しました。移動中、外の景色を覗くことがあったのですが、この地方の2月下旬にしてはまだ沢山の雪が残っていました。
ここの病院は、県内におけるリハビリテーション医療の中核施設となっていて、設立後2025年現在で40年以上経っている歴史ある病院です。病院や附属施設そのものは新しく、整形外科等の常設・非常設科・専門科外来の25科と「こども支援センター」を持つ専門病院となっています。
先ずは現状把握から
着いて早々に担当看護師との打ち合わせを終えた後、車椅子に乗せ換えられ、とある階の眺めの良い訓練室に連れて行かれました。外の景色をまともに観たのは久しぶり、という感慨にひたる間もなく担当医師から
「目の前にある平行棒に掴まって立ち上がってみてください。」
と言われましたが、前の病院でも一人で立ち上がったことが無いので「ちょっと無理かも・・」と弱音を言いました。すると、
「今後のリハビリテーションの計画を策定するために必要で、出来なくても良いのでトライしてください。」
と言われ、渾身の力を振り絞ってやってみました。後ろからスタッフが手を添えてではありましたが、何とか立ち上がることができました。しかし、著しく脚の筋力が落ちている私は数秒しか立っていられず、情けなくペタンと車椅子に座り込んでしまいました。ですが、この状態を見た担当医師は
「この状態でしたら車椅子での退院の可能は非常に高いでしょう。我々スタッフが全力でサポートしますので、お互いがんばりましょう。」
と心強い言葉をもらったのです。寝たきりと車椅子での生活では雲泥の差があります。
いよいよ明日から訓練が始まります。当日のリハビリテーション内容はその日の朝に配付されるのだそうです。という訳で、入院初日の晩は訓練への心配と期待感でなかなか寝付けませんでした。
目標を設定する
本格的な訓練に入る前に、医療スタッフは患者と話し合いながらリハビリテーション計画を策定します。私の場合、作業療法と理学療法が主となるのですが、以下の目標を立てました。
- ベッドから自力で起き上がれるようになること(寝返りができるようになること)
- 早期にスマートフォンが使えるようになること(家族や職場との連絡に必須)
- 自力排泄が出来るようになること(排泄コントロールは中枢神経損傷者が抱える最大ネックの一つ)
- ペンを持って字や図を書けるようになること(自力での書類作成など)
- 箸を使って食事が出来るようになること(可能であれば利き手)
- 着替えが出来るようになること(立位にこだわらない)
- ベッドから車椅子等の補助具に移動できるようになること(その逆も然り)
- 歩行器等による自立歩行が出来るようになること(最終的には補助具に頼らない自立歩行を目指す)
- 薬の管理が出来るようになること(切る、押し出す、摘まむ)
- PCのキーボードやマウス操作が出来るようになること(正確性を求めるが、速さにこだわらない)
- 自動車の運転が出来るようになること(安全運転であれば距離数にこだわらない)
おそらくこの目標を見た健常者の方は、さも当たり前のことを何故難しそうに書いているのか不思議に思われるに違いないでしょう。それだけ中枢神経を損傷するとあらゆる動作に不都合が生じるばかりでなく、場合によっては機能不全となって日常生活に多大な影響を及ぼすのです。
では、「こうなる前に予兆はなかったのか」と思われる節もあるかと思いますが、これについては別に記すのでここでは触れずおきます。
さあ、いよいよ身体能力回復のためのリハビリテーションが始まります。
この続きは「回復期の作業療法リハビリテーション(OPLL-2-)」でお会いしましょう。
