後縦靭帯骨化症(OPLL)の回復期リハビリ|専門病院への転院と『11の目標』【OPLL2-1】

後縦靭帯骨化症
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※当サイトの記事は、筆者が実際に専門家の指導のもとで行ってきた治療・リハビリの体験をもとに記しています。治療方法や経過には個人差があり、すべての方に当てはまるものではありません。実施にあたっては、必ず主治医やリハビリ専門職にご相談ください。

リハビリテーション専門病院への転院|2月下旬、雪残る新たな舞台へ

 OPLL発症後1か月半の時を経て、県内のリハビリテーション専門病院に転院しました。移動中、外の景色を覗くことがあったのですが、この地方の2月下旬にしてはまだ沢山の雪が残っていました。
 ここの病院は、県内におけるリハビリテーション医療の中核施設で、設立から長い歴史を持っています。病院や附属施設そのものは新しく、整形外科等の常設・非常設を含む25の診療科と「こども支援センター」を併設する専門病院です。


現状把握の「平行棒」|絶望からのスタートと医師の言葉

 着いて早々に担当看護師との打ち合わせを終えた後、車椅子に乗せ換えられ、とある階の眺めの良い訓練室に連れて行かれました。外の景色をまともに見たのは久しぶり、という感慨にひたる間もなく担当医師から

担当医
担当医

目の前にある平行棒に掴まって立ち上がってみてください。

と言われましたが、前の病院でも一人で立ち上がったことが無いので

私

ちょっと無理かも・・

と弱音を言っていたのですが、すると

担当医
担当医

今後のリハビリテーション計画をつくるために必要ですので、出来なくても良いのでトライしてください。

と言われ、渾身の力を振り絞ってやってみました。
 後ろからスタッフが手を添えてではありましたが、何とか立ち上がることができました。しかし、著しく脚の筋力が落ちている私は数秒しか立っていられず、脚がガクガクと震え、そのまま情けなくペタンと車椅子に座り込んでしまったのです。

数秒間の立位訓練で見えた「車椅子退院」の可能性

しかし、この状態を見た担当医師は

担当医
担当医

この状態でしたら車椅子での退院の可能性は非常に高いでしょう。我々スタッフが全力でサポートしますので、お互いがんばりましょう。

と心強い言葉をもらったのです。寝たきりと車椅子での生活では雲泥の差があります。
 いよいよ明日から訓練が始まります。当日のリハビリテーション内容はその日の朝に配付されるのだそうです。という訳で、入院初日の晩は訓練への心配と期待感でなかなか寝付けませんでした。


リハビリテーション計画の11項目|当たり前を取り戻すために

食事・排泄から仕事復帰(PC操作)までの優先順位

 本格的な訓練に入る前に、医療スタッフは患者と話し合いながらリハビリテーション計画を策定します。私の場合、作業療法と理学療法が主となるのですが、以下の目標を立てました。

**「後縦靭帯骨化症(OPLL)リハビリ目標一覧」**

項目訓練内容(目標)当事者にとっての重要性
1自力での寝返り・起き上がり全ての動作の基本。自立への第一歩。
2スマートフォンの操作家族や職場とつながるための「命綱」。
3自力での排泄管理人としての尊厳を守るための最大の難関。
4ペンでの筆記(字・図)書類作成など、社会復帰に欠かせない能力。
5箸を使っての食事補助なしで「食べる喜び」を取り戻す。
6着替え(更衣動作)介助なしで生活するための必須スキル。
7車椅子への移乗移動範囲を広げ、寝たきりから脱する境界線。
8歩行器等での自立歩行最終的には補助具に頼らない歩行を目指す。
9薬の自己管理持病(心筋梗塞など)の再発を防ぐ生命線。
10PC操作(キー・マウス)仕事復帰(デスクワーク)への具体的な指標。
11自動車の運転生活圏を広げ、元の社会生活に戻るための鍵。

 特に目標9は、以前経験した急性心筋梗塞の再発を防ぐためにも、心臓の薬の管理はリハビリと同じくらい命に関わる重要な課題でした。

中枢神経損傷がもたらす「日常の崩壊」

 おそらくこの目標を見た健常者の方は、さも当たり前のことを、なぜ難しそうに書いているのか不思議に思われるに違いないでしょう。それだけ中枢神経を損傷するとあらゆる動作に不都合が生じるばかりでなく、場合によっては機能不全となって日常生活に多大な影響を及ぼすのです。
 では、「こうなる前に予兆はなかったのか」と思われる節もあるかと思いますが、これについては別の記事で詳しく記しますので、ここでは触れないことにします。


さあ、いよいよ身体能力回復のためのリハビリテーションが本格的に始まります。
この続きは「OPLL(後縦靭帯骨化症)回復期リハビリ|指先を動かす「特訓」と便利な自助具」でお待ちしています。 
無理のない範囲でお読みいただければ幸いです。