後縦靭帯骨化症(OPLL)の維持期リハビリ|現状維持の先に見えた身体の回復と改善【OPLL3-3】

後縦靭帯骨化症
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※当サイトの記事は、筆者が実際に専門家の指導のもとで行ってきた治療・リハビリの体験をもとに記しています。治療方法や経過には個人差があり、すべての方に当てはまるものではありません。実施にあたっては、必ず主治医やリハビリ専門職にご相談ください。

 維持期リハビリと聞くと「現状維持」が目的と思われがちですが、私はそこで“想像以上の変化”を経験しました。

デイサービスでのリハビリ・ルーティーン

 週末の土曜日、今日もリハビリが始まります。最初はマット付きプラットフォームで、リハビリ前の筋肉や関節をほぐしてもらいます。この時、一番弱い右肩にホットパックを当て、脚にはメドマーを装着し、マッサージを受けながら、より大きく関節の可動域拡大を目指します。


 その後は器械を使ったパワーリハビリを行うのですが、中でもヒップアブダクションは私の一番苦手とするところで、股関節に柔軟さがない私はなかなか大きく開きません。
 聞くところによると男性の方が女性に比べて股関節が固いらしいのです。構造上、骨盤に余裕がないからだそうです(そのかわり骨盤が歪むことも少ないとか)。障害により脚全体に踏ん張りが効かなくなったこともあって、左右の動き(柔軟性)が鈍くなっているのですが、不思議と前後・上下に力を加える動きには大きな問題はないのです。
 レッグプレスレッグエクステンションローイングとパワーリハビリは続きます。


 次はリカンベントバイクによる有酸素運動です。このマシンは施設の中でも人気者なので順番待ちの多い器具の一つです。もう一つ順番待ちの多いマシンがトレッドミル。皆さん歩くことに恋焦がれて?いるのか、中々順番が回ってきません。


 休息までに時間があれば、次は日常生活動作訓練です。初期では特に苦手なボタンの留め外しや、箸による手指訓練を行いました。退院後も指は滑らかに動かなかったので、ワイシャツを着るときはボタン掛け補助具は必須でした。しかし、いつまでも道具に頼ってばかりもいられませんので、集中的にボタン掛けの訓練をさせて貰いました。もう一つの手指訓練は、回復期リハビリから継続しているペグボードや箸による小豆つまみ。始めの頃は到達数は決めずにとにかく正確に、ひろい落としがないようにし、段々と慣れてきたら速さを追及するようにしました。
 実は、手指訓練の前にはロムーバーにより手指全体を柔軟にしてからとりかかることが多いのですが、時々順番の関係でできずに訓練をしなければならなくなることがありました。案の定、そんな時はうまくいったことがありません。単純な器械ですが医療用ってうまく作られているものだ、と改めて感心するのです。


 リハビリは途中、お茶タイムという、レクリエーションや口腔嚥下体操(これらの運動については以降の記事を参照してください)などで休憩を挟みながら進んでいきます。休憩後は前半で出来なかった日常生活動作訓練や歩行訓練。人によっては器械を使った腰椎・頸椎牽引をされる方もいらっしゃいます。そして、施設に到着後およそ2時間半の時を経て帰宅準備にかかります。


  • リカンベントバイクとは、背もたれ付きのシートに寄りかかり、前方に配置されたペダルを漕ぐタイプのエアロバイク(フィットネスバイク)です。

サンディングボード

 肩の可動域を拡げたい私は、新たにサンディングボードというリハビリを加えてもらいました。これは、肩関節を中心とした上肢機能改善のためのリハビリ用道具で、傾斜面の上で取っ手のついた板を上下に滑らせる運動となります。原則として片手で行うのですが片麻痺が強い場合は、麻痺が弱い(無い)もう片方の手を添えて両手で行うことも。また、症状によって傾斜角度を調整できるので、障害の程度に応じた運動を行うことができます。単純な構造ですが優れものです。

 私は、このサンディングボードのおかげで、特に肩関節周りにおいて劇的な改善がみられました
 実は同じリハビリを回復期病院でも行おうとしていたのですが、その頃は肩を上げると痛みを伴っていましたのでそれどころでは無く、継続を断念した経緯があります。何事にもタイミングがあるものなのですね。


レッドコード

 レッドコードは、天井から吊るされた文字通り2本の「赤い紐」につながりながら、様々な体勢を維持する訓練なのですが、これが結構むずかしい。
 一点が固定されただけの紐というものは、力のかけ方次第では様々な方向に動こうとするので、その様な中での体勢維持は、体幹や手足の力が足りないと出来るものではありません。かく言う私も、当初はあっちにフラフラこっちにフラフラと、ここのスタッフの方々もさぞかしヒヤヒヤものだったでしょう。自慢ではありませんが、1年が経つ頃には大きなフラつきもなくなり、スタッフからは「安定されていますね」とお褒めの言葉もいただいています。


ジェル状のクッションの上に片足又は両足で立つ

 片足立ちの苦手な私を慮ってスタッフから用意してもらったリハビリは、ジェル状のクッションの上にできるだけ長時間立っている、というものです。
 試しに、スタッフの方が支えなしで片足で立ってみるのですが、元気な方でも十秒は持ちません。ですから、私なんかが手摺から手を放そうものなら、バランスを崩すのに1秒とかかりません。これは最後まで慣れることはありませんでした。


その他のリハビリ

 その他では、階段昇降、低い台(20cm以下)に腰掛けてからの立ち上がりなど、工夫すれば自宅でも出来るようなリハビリも多くありました。ただし、自宅でリハビリをする場合は周囲への安全や、自分の身を守ることができる環境を用意してから実施してください
 何かが起こってからでは遅いですから。


 OPLLを発症(顕在化)してしまうと、それが重症化すればするほど強度が掛かる動きが出来なくなります。ジッとしていれば身体はドンドン固まってしまって動きにくくなってしまいます。身体は、動くことをサボるとドンドン動きにくくなりますのでリハビリの継続はとても大切です。
 だからと言って無理をする必要はありません。日常的には、洗濯や掃除などの家事、安全を確保した散歩(交通量の多い所は避けましょう) 、自宅の玄関などを利用した踏み台昇降(安全確保のため手摺が必要です)、テレビ体操やロコモ体操で身体の柔軟性をつけるなど、自らの努力次第で出来ることは沢山あります。

 要は「継続は力なり」を信じ、続ける事ではないでしょうか。もちろん途中何回か抜けても良いと思っています。抜けたからといって、その分の挽回もしなくて良いです。アスリートではありませんので気楽に構えましょう。

常に身体を動かすことを意識する、これが大事だと思っています。


 前回△だった「自立歩行・バランス」が、今回ついに○になりました。

番号元の目標維持期でのチェックポイント(実生活の視点)状態確認
1寝返り・起き上がり起床時に身体の強ばりを感じず、スムーズに動けるか?
2スマホ操作外出先や緊急時に、焦らず正確にフリックやボタン操作ができるか?
3自力排泄外出先のトイレや、夜間の寝ぼけた状態でも安全に動作を行えるか?
4ペンでの筆記役所や銀行の書類など、枠内に丁寧に文字を書く持続力があるか?
5箸の使用疲れが出やすい夕食時でも、こぼさずに食事を楽しめているか?
6着替え季節の変わり目の厚着や、ボタンの多い服でも一人で完結できるか?
7移動段差や傾斜のある自宅周辺を、杖なしで歩けるか?
8自立歩行・バランス【重要】 左右のバランスを崩さず、ふらつきなく歩けているか?
9薬の管理PTPシート(アルミ包装)から薬を落とさず取り出し、管理できているか?
10PC操作・仕事の継続業務に必要なタイピング速度と正確性を、疲労時でも維持できているか?
11自動車の運転長距離や夜間でも、集中力を切らさずブレーキ操作に不安はないか?
メモ・体幹を鍛える:ジェルマット上で長時間立っていられるようになった。片足立ちも時には20秒超えも。
・手指を鍛える:ペグボード、箸による小豆移動、ボタン留めなどの訓練を
行った・・途中止まることなく続けられるようになった。
・次回の重点:レッドコードを積極的に活用し、体幹を鍛えて歩行バランスを安定させる。
  • 目標6:着替えができるようになること(サンディングボードによる肩の可動域拡大で、ボタン掛けや上着の脱ぎ着がよりスムーズに!)
  • 目標8:自立歩行・バランス(レッドコードやジェルクッション訓練により、体幹が安定。周囲から「安定した」と評されるまでに)
  • 目標10:PC操作・手指の巧緻性(ボタン掛け訓練や小豆つまみの「速さの追求」が、仕事でのタイピング精度に直結)