心筋梗塞とは
心筋梗塞は、心臓の血管(冠動脈)が詰まり、心筋が壊死してしまう重い病気です。発症前には肩こりや胸の違和感など、見逃されやすい症状が現れることがあります。
心筋梗塞は、日本人の死亡原因の上位に入る重大な循環器疾患の一つであり、早期発見と迅速な治療が命を左右することがあります。
最初に見てほしい|心筋梗塞の前兆チェックリスト
私の体験として、心筋梗塞発症前には以下の症状が起きていました。
- 原因不明の肩こりや背中の痛み(特に肩こりの症状は要注意)
- 胸の圧迫感や違和感
- 胸の一時的な痛み(ちくちくする感じ)
そして発症直前の症状がこちら。
- 強い疲労感(寝不足や寝汗)
- 動悸や不整脈
- 冷や汗
心筋梗塞の前兆と気付き
一般に知られている心筋梗塞の症状には、胸の痛みや圧迫感、違和感、冷や汗、吐き気、脱力感、動悸、めまいなどがあります。これらの症状が明確に現れた時点では、すでに緊急対応が必要な状態であることが多く、場合によっては手遅れとなることもあります。
私のきっかけ|静かに迫る詰まりのサイン
私の場合、最初は原因のはっきりしない肩こりでした。それが次第に痛みに変わり、胸の圧迫感やチクリとした痛みが現れるようになりました。特に喫煙後に症状が出やすかったことを覚えています。その後、不整脈を自覚できるようになり、今振り返ると、これらが初期のサインだったのではないかと思います。
見逃されやすい生活習慣病
心筋梗塞の背景には、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病が、発症の数年前から関与している場合が多いと言われています。血圧は急激に変動すると不快な症状が出ることもあるのでしょうが、私の場合、徐々に上昇していましたので、自覚症状がほとんどないまま進行してしまっていたように思っています。
健康診断で「再検査」や「要精密検査」と指摘されても、日常生活に支障がないことを理由に後回しにしてしまう。そうしているうちに病気が臨界点に達し、本来であれば改善できたはずの状態が、長期治療を要する大きな病気へと進行してしまうことがあります。その結果、入院や長期休養が必要となり、家族や職場に負担をかけてしまうことにもなりかねません。
自分の体を「開かれた組織」にする|体の声に耳を傾ける習慣
私自身の経験から言えることは、次のような点を日常的に意識していれば、発症を未然に防げたのではないか、という反省です。
- 他者(健診・医師・家族)の声は「注意」や「叱責」ではなく「あなたのための声」です
- ストレスを長持ちさせない|自律神経を整えましょう
- 「睡眠・食事・趣向品」を整える習慣を身につけましょう
気付くことの難しさ
何事においても、何かが静かに蝕まれていくとき、その変化は一朝一夕に起こるものではありません。多くの場合、ある程度の時間をかけて少しずつ進行していきます。しかしその過程は、当事者がよほど注意深く自分自身を観察していない限り、なかなか気付くことができません。
そして、その蝕みが限界(臨界点)に達したとき、初めて「取り返しのつかない状態」であることに直面します。最悪の場合、それまで続いていたものが突然停止したり、失われてしまうこともあります。一般には、これが結果として「失敗」と呼ばれる状態なのかもしれません。
私は後日、「組織は合理的に失敗する」(菊澤研宗著)(注1)という書籍を通じて、この構造を知りました。要点を私なりに噛み砕くと、次のように理解しています。
閉鎖された組織の中では、本来は不条理であるはずの行動や判断が、時間をかけて「合理的なもの」として正当化されていきます。一度その不条理を受け入れてしまうと、次に現れる不条理もまた、集団思考によって合理化され、やがて組織は自己修正できなくなり、崩壊へと向かっていきます。一方で、開かれた組織では、環境の変化に応じて自己改革すること自体が合理的な行動となり、不条理なパラダイム(認識の枠組み)を回避することができる、とされています。
💡補足
注1:菊澤研宗(きくざわ けんしゅう):1957- 石川県羽咋市出身、経済学者、商学博士(専門:新制度派経済学、コーポレート・ガバナンス、経営哲学、等)
この考え方を人体に置き換えてみると、非常に示唆的です。自分の都合で病気や身体の異変(不条理)を都合よく解釈し、「まだ大丈夫だろう」と合理化し続けると、人はやがて正常性バイアスに陥ります。そして、明らかな破綻が起きるまで、その不条理を受け入れ続けてしまうのです。こうなると、相当な衝撃や環境の変化がない限り、自分自身では気付くことが難しく、結果として手遅れになってしまうケースも少なくありません。
言うは易しいものの、実行となるとなかなか難しいものです。しかし、不条理に陥らないためには、常に自分の状態を見直し、必要に応じて生活習慣を修正していく「自己改革」を怠らない姿勢が大切なのだと思います。
まとめ|体の小さなサインを見逃さない
体の異変は、多くの場合、いきなり重大な症状として現れるわけではありません。小さな違和感や軽い痛み、疲れやすさなど、日常生活の中に紛れる形で現れることが少なくありません。
心筋梗塞(MI)のような重い病気でも、早い段階で気付くことができれば、症状の進行を抑えたり生活への影響を減らすことが可能になる場合があります。
「いつもと少し違う」という体のサインを見逃さないこと。そして必要なときには、専門医に相談すること。そして、健康診断の結果や体の違和感を軽く考えず、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
それが大きな病気から自分自身を守る第一歩になるのだと思います。
OPLLの前兆については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶後縦靭帯骨化症(OPLL)初期症状と前兆|患者が気づいた体の異変
