心筋梗塞でのリハビリテーションを
① 基礎体力の回復
② 体力の増強(筋肉の増強)
③ 運動能力の引き上げ(スピードアップ)
の三段階で捉え、それぞれ半年を目安に段階をあげて行くことにした。きっかけは、定期診察ごとの「トレッドミル負荷心電図計測」。トレッドミル上を歩いて血圧、脈拍、心電図などを計測するもので、最初は平面上でゆっくり歩行するのだが、徐々に速度が上がり且つ傾斜角度も大きくなるので、体力のない者は時を掛けずに青色吐息となる。すると、医療スタッフから「これ以上は無理なので途中で止めます」とのお声が掛かりトレッドミルが停止する…競技に例えるならリタイヤだ。あの時の悔しさは忘れられない出来事だ(しかし、そう感じる前に生活習慣の改善を心掛けていれば病気にならずに済んだのだが…)。
これがウォーキングを始めるきっかけとなった。ウォーキングの利点は、自分の体調や時間によって運動量を調整でき、器具等の購入による経済的負担が小さいことだ。
平日は仕事があるので、帰宅してから1時間ほど準備運動とウォーキングをこなすが、休日は日中に2~3時間を費やすようにした。大切な事は、余程体調がすぐれない限り毎日少しでもよいので継続する事を第一とした。
退院後、先ずは少しの距離をゆっくり歩くことから始めるが、ちょっと歩いただけでも胸が苦しくなるので、最初の3か月は(もしもの場合を考え)舌下用ニトログリセリンは手放せなかった。諦めずに毎日少しずつ、天候に関係なく歩数を増やした結果、退院から半年後には1日あたり約4000歩をキープできるようになり目標①を達成。9か月後には1日あたり約8000歩、1年後には1日あたり約10000歩をキープできるようになり目標②を達成した。
歩く速度については、当初は相当頑張っても1時間当たり2~3kmが背一杯。しかし、歩数が1日あたり8000歩を超すようになってからは1時間当たり6~7kmの速度で歩けるようになってきた。ここまでくるとウォーキングだけの運動では満足しなくなり、休日にはウォーキングに加えて自転車を漕いで片道10kmほどのサイクリングを楽しめるようになってきたため、目標③を達成したと言ってもよいのでは、と自画自賛している。
この様にリハビリテーションを続けた結果、発症から2年後の春には胸の痛み(苦しみ)や疲労感は殆ど感じなくなってきたばかりか、(薬を飲んでのことだが)血圧や血液検査の結果も問題なく良好となっていた。何事もそうなんだろうと思うが「継続は力なり」という言葉を実証できた気がした。
OPLLの維持期(生活期)リハビリ -17- [2019/9]