朝の目覚め…というより殆ど眠れなかった。昨日から続く胸の不快感、痛みさえ感じる肩こり、冷や汗、浅い呼吸に加え、このまま眠ったら明日の朝には冷たくなっているんじゃないか、という不安で目を瞑っていても眠る気持ちではなかった。ベッドから起き上がっても昨日からの症状は何ら変わっていないし、むしろ酷くなっている。
(さすがにこれはいかん…)今日、診察を受けたらそのまま入院になるような気がしたので、自分では運転をせず妻に病院まで送ってもらったが、外来での受付で立っていられない状態となり、直ぐ担当医の診察を受けることになった。
心電図、血圧測定、採血などの緊急検査の後、医師からは「急性心筋梗塞です。直ぐに手術を開始しないと危険な状態です。ちょうど本日はカテーテル専門医が本院に来ていますので、直ぐ準備に取り掛からせます。」と…どうやら考えている暇はないようだ。直ぐに手術の説明が始まり、全てに同意してサインした。
術式は、カテーテル・インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention;PCI/経皮的冠動脈形成術)と言い、左遠位橈骨動脈(左手首)に局所麻酔をして、そこから血管にカテーテルを挿入する。挿入中は所々でカテーテルの動きを感じることもあり、ベッド横の大きなディスプレイにも私の血管が映し出されていて、それを見ていると何だかSFの世界に迷い込んだような感覚があったのを今でも思い出す。
血管内にカテーテルを梗塞部位まで挿入したら、その位置でバルーンを拡張させ、ステント(3mmΦ×15mmL)を挿入することで、梗塞した血管を人工的に拡げた状態に形成する手術となる。私の場合、左主冠状動脈が梗塞しており、左回旋枝と左前下行枝への血液は既に滞っていたが、運よく心筋壊死部は少なかったということだった(この心臓へのダメージが放っておいた割には軽く済んだことが、後のリハビリテーションに対し積極的に取り組める理由の一つとなった)。術後はステントの適合状況などを確認するため、HCU(High Care Unit:集中治療室)で二日ほど状態監視されることとなる。
OPLLの維持期(生活期)リハビリ -17- [2019/9]