後縦靭帯骨化症(OPLL)の維持期リハビリ|退院後に直面した現実【OPLL3-1】

後縦靭帯骨化症
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※当サイトの記事は、筆者が実際に専門家の指導のもとで行ってきた治療・リハビリの体験をもとに記しています。治療方法や経過には個人差があり、すべての方に当てはまるものではありません。実施にあたっては、必ず主治医やリハビリ専門職にご相談ください。

 「退院すれば、もう普通に戻れる」――私は本気でそう思っていました。

 6月末に退院し、7月から意気揚々と勤務を再開しました。病院で懸命にリハビリを積んできた自負もあり、「日常生活も問題ないだろう」と高を括っていたのです。

 しかし、現実は甘くありませんでした。病院という「患者にとって最適化された環境」から離れた途端、身体の動きが鈍くなっていることに気づかされたのです。

救いとなった「民間デイサービス」との出会い

 行き詰まっていた私を救ってくれたのは、地元の介護支援事業所から紹介された民間デイサービスでした。 最初は「病院に比べて器具が少ない」と不安を感じましたが、それは大きな間違いでした。

  • 病院でのリハビリは、「社会復帰」のため
  • 民間などのリハビリ施設でのリハビリは、「生活を維持する」ため

 そうなんです。ここは「生活を維持するため」の場所なので、日常生活の道具や動きから大きくかけ離れてはいけないのです。

 そこで私は、仕事が休みでここの施設が開所している土曜日に定期的に通うことにしました。1回にかかる時間は3時間ですが、この3時間がどれほど体力を消耗するかは、次回の記事で詳しく書きたいと思います。


 リハビリ初日は、現状を把握するための「体力・機能測定」から始まりました。

  • 歩行・バランス測定: 椅子から立ち上がり、数メートル歩いて戻るまでの時間と体幹をチェック。驚いたのは片足立ちです。病院では10秒以上できていたはずの片足立ちが、わずか3秒。その数字を聞いた瞬間、言葉を失いました。退院後の数週間で、バランス能力はここまで低下していたのかと痛感しました。
    「やっちまったな」と思いました……。 復帰後の仕事の忙しさを言い訳に、自宅での簡単なリハビリをサボっていた報いでしょう。これまで何度も失敗し、そのたびに「継続の大切さ」に気づいていたはずなのに、その反省がまったく生かされていませんでした。“少しくらい大丈夫だろう”という油断が、確実に身体に表れていました。
  • 筋力測定(マシン): レッグプレス、レッグエクステンション、ローイングやアブダクションなど、各マシンで最大筋力を測定。この数値を基準に、今後のリハビリ負荷(5~8割)を決定します。

 運動機能だけでなく、仕事や日常生活に欠かせない「手指の訓練」も徹底して行われました。

  1. 手指の柔軟(ロムーバー): 空気圧で指を動かす機器で関節をほぐします。(詳細は文末参照)
  2. 小豆の移動訓練: 箸を使い、小豆を移動させるタイムを計測。集中力と指先の精密な動きを鍛えます。
  3. 社説の筆写(書き写し): 新聞の社説を一定時間で書き写します。「スピード」だけでなく、誰が見ても読みやすい「丁寧さ」を意識することが、実務復帰へのリハビリになります。

初日を終えての気づき

 退院はゴールではなく、**「日常生活という名の本当のリハビリ」**の始まりでした。
 もし退院後に動けなさを感じている方がいても、それは特別なことではありません。そこからどう「維持・向上」させるかが勝負なのです。
 大切なのは、「できなくなった」と落ち込むことではなく、“今の自分の状態を正確に知ること”だと、私は学びました。


 環境の変化に合わせ、目標の定義を「機能回復」から「生活維持・向上」へとシフトしました。病院での評価(◎)を一度リセットし、今の実生活に基づいた厳しい目で再評価しています。
 病院では“できるかどうか”が評価基準でした。しかし維持期では、“安定して続けられるか”が基準になります。

11の目標:維持期(退院後)の現状チェック

番号元の目標維持期でのチェックポイント(実生活の視点)状態確認
1寝返り・起き上がり起床時に身体の強ばりを感じず、スムーズに動けるか?
2スマホ操作外出先や緊急時に、焦らず正確にフリックやボタン操作ができるか?
3自力排泄外出先のトイレや、夜間の寝ぼけた状態でも安全に動作を行えるか?
4ペンでの筆記役所や銀行の書類など、枠内に丁寧に文字を書く持続力があるか?
5箸の使用疲れが出やすい夕食時でも、こぼさずに食事を楽しめているか?
6着替え季節の変わり目の厚着や、ボタンの多い服でも一人で完結できるか?
7移動段差や傾斜のある自宅周辺を、杖なしで歩けるか?
8自立歩行・バランス【重要】 左右のバランスを崩さず、ふらつきなく歩けているか?
9薬の管理PTPシート(アルミ包装)から薬を落とさず取り出し、管理できているか?
10PC操作・仕事の継続業務に必要なタイピング速度と正確性を、疲労時でも維持できているか?
11自動車の運転長距離や夜間でも、集中力を切らさずブレーキ操作に不安はないか?
メモ・ダメポイント:片足立ちが3秒しかできなかった。
・工夫ポイント:右腕を高く上げるために壁に身体を密着して訓練した。
・次回の重点:体幹を鍛えて歩行バランスを安定させる。
  • 目標4:ペンを持って字を書く(社説の筆写訓練により、スピードだけでなく「丁寧な実用性」を追求)
  • 目標8:自立歩行・バランス(病院での成果に対し、片足立ち3秒という厳しい現実に直面。デイサービスで再構築中)
  • 目標10:PC操作・仕事の継続(勤務再開により、実戦での課題を抽出。リハビリでの手指訓練とリンクさせる)