2018(平成30)年8月25日(土曜日)
週末の土曜日、今日もリハビリが始まる。最初はマット付きプラットホーム(※1)で、リハビリ前の筋肉や関節をほぐしてもらう。この時、一番弱い右肩にホットパック(※2)を当て、より大きく関節の可動域拡大を目指す。
その後は器械を使ったパワーリハビリ(「OPLLの維持期(生活期)リハビリ -2- [運動機能]」参照)を行うのだが、中でもアブダクション・マシンは一番の苦手とするところで、股関節に柔軟さが無い私はなかなか大きく開かない。聞くところによると男性の方が女性に比べて股関節が固いらしい。構造上、骨盤に余裕が無いのだ(その替わり骨盤が歪む事も少ないらしい)。障害により脚全体に踏ん張りが効かなくなったこともあって、左右の動き(柔軟性)が鈍くなっているのだが、不思議と前後・上下に力を加える動きには大きな問題はない。
パワーリハビリは続く。次はリカンベントバイク(※3)による有酸素運動だ。本来ならゆっくりと長時間漕いでいたいのだが、他の人も必要としているので1回の利用時間は10分と決まっている。なので力を込めて短時間で終えるよう努力している。
パワーリハビリは他にもあるのだが説明は別の機会にするとして、次は日常生活動作訓練で、初期では特に苦手なボタンの留め外しや、箸による手指訓練を行った。
退院後も指は上手く動かなかったため、ワイシャツを着るときはボタン掛け補助具(※4)は必須だった。しかし、いつまでも道具に頼ってばかりもいられないので、集中的にボタン掛けの訓練をさせて貰っている。もう一つの手指訓練は回復期リハビリから実施している箸による小豆つまみだ。始めの頃は細かく数は決めずにとにかく正確に溢し落としがないようにし、段々と慣れてきたら速さを追及するようにした。
実は、手指訓練の前にはロムーバー(※5)により手指全体を柔軟にしてから取り掛かることが多いのだが、時々順番の綾で出来ずに訓練をしなければならなくなることがあるが、そんな時は上手くいったことがない。単純な器械だが医療用機器は上手く作られているものだと感心するのである。
リハビリは途中、レクリエーションや口腔嚥下体操などで休憩を挟みながら進んでいくが、これらもまた追々に話していくとして、今日はここまで。施設に到着後およそ2時間半の時を経て帰宅準備にかかる。お疲れ様でした。
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※1 クッション性のあるビニルマットが表面に張られた作業用ベッド
※2 局所に温熱を与える治療法。皮膚から深部まで温めることで筋肉や関節の緊張緩和などの効果がある。
※3 背もたれ付き椅子があるエアロバイク。座位で行うので身体への負担が少なく、ゆっくりとしたペースで長時間の有酸素運動が出来る。
※4 金属製の細長い輪に太めのグリップがついた片手マヒ者用の自助具で、ボタンホールから金具を差し込みボタンを引っ掛けて引き出してボタンを掛けることが出来る。
※5 手指エア伸展器:空気圧を応用して、手指の痙性麻痺・拘縮麻痺を予防・改善するための治療器