2018(平成30)年10月13日(土曜日)
今週も土曜日がやってきた。今日もいつもと変りなくリハビリをこなしたので、今回は休憩時間に必ず実施している「口腔嚥下体操」を紹介。これは回復期リハビリでも毎食前に行っていた体操で、一見して地味で効果がなかなか見え難いのだが、長期入院生活者や高齢者には非常に大切な事なので、対象者は自宅でも行うことをお勧めする(「参考文献等」参照)。
基本は「ウー・イー」と「パ・タ・カ・ラ」の6音の発声と舌先の運動。先ずは発声からで、口を力いっぱい窄めて「ウー」と大きく発声し、続けて口を横一杯に拡げて「イー」と大きく発声する。これを数回繰り返す。次に、舌先を口内左(右)の頬に強く押し付け、続けて反対の頬に強く押し付ける。これも数回繰り返す。
口と舌先の基本運動の後は「パ・タ・カ・ラ」の発声。「パ」は唇を弾く様に発声し、「タ」は舌先を上前歯裏に付ける様に発声し、「カ」は舌奥を上顎奥に付ける様に発声し、「ラ」は舌を丸めて発声する。何れも大きな声で数回繰り返すことが必要。
これで基本体操は終了。後は仕上げで簡単なセリフを大きな声で読み上げるのだが、続きは翌週に繰り越すとして、今日も無事リハビリが終わった。
2018(平成30)年10月20日(土曜日)
今日も「口腔嚥下体操」の続きを紹介。基本動作が終了したらちょっと高度な体操となる。題名は「パンダの宝物🐼🎺」と言い、内容は「パンダの宝物は、パパパンダから貰ったラッパ、歩いてパタパタ、鳴らしてパラパラ、高かったラッパで、財布の中は空っぽ」というものなのだが、内容については基本発声音である「パ・タ・カ・ラ」を織り交ぜた物語風のセリフで、深い意味はないので追求しないでほしい。
回復期病院では入院中これを毎食前に行っており、スタッフが先行して一区切りずつ読み上げ、患者が続いて発声するのだが、最初は恥ずかしい気持ちが先行してなかなか大きな声を出せなかった。
しかし、この時の私は還暦間近。そろそろ飲み込みや口元の筋肉が衰え始める年齢である。将来の貯金だと思い真剣に取り組むことにした。
今日も無事リハビリが終了。ご苦労様でした。
[後日談]
退院以降「パンダの宝物🐼🎺」は自宅ではやっていないが、基本体操は気が付いた時に行うようにしている。お陰で(回復期病院を)退院して6年経った今でもコップの水を一息で飲み干せることが出来る。
2018(平成30)年10月27日(土曜日)
今週も土曜日がやって来た。先週まで口腔嚥下体操の話をしたので、今週からリハビリ時間の間に行うレクリエーションを紹介する。
入浴、トイレ、更衣など日常生活に必要な動きを関連する動作に分け、一つひとつの動作を皆で楽しく行うもので、棒体操、バンド体操、リング体操、タオル体操により様々な物を跨ぐ運動や、肩を回す動作により背中に手が届くことで更衣などがスムーズに行える様になるなど、遊びの中にもリハビリの要素が詰まっていて日常生活動作に少しでも負担とならないようなレクリエーションとなってる。また、新聞紙を指先だけで出来るだけ真っ直ぐや渦巻状に細かく割く作業などがある。
入所者全員で行うので(少なからず競争心も煽られて)誰もが黙々と真剣にやっている。結果として多少の優劣がつくのだが、そこは百戦錬磨の人生経験者の集まりなので文句を言う者や僻む者はいない。そして休憩が終わると、それぞれ自分がしたいリハビリを淡々とこなすのである。
今日も無事リハビリ終了、ご苦労様でした。
参考文献等(外部リンク)
- 「オーラルフレイル対策のための口腔体操」公益社団法人日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/oral_frail/gymnastics/