OPLLの回復期リハビリ -10-(自立歩行のために-2-)

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 歩行補助器による歩行と多少の自立歩行が出来るようになって約1週間、病棟1フロア内での自由歩行が許可され、やがてベッドへの乗り移りもフリーになった。それまでは全ての行動に病院スタッフが付き添う決まりとなっていたので、これでスタッフ皆さんの手を煩わせなくてよくなったと思うと、多少安堵していると同時に、身の回りから賑やかさが消えていき一抹の寂しさもあったりした。その内に、漸く自力での起き上がりが出来るようになり(何と転院して約1か月半も経っていた)、訓練はいよいよホップから次のステップの段階に進む。

 転院から約1か月半後、歩行訓練は体幹を鍛え距離を延ばすための訓練に入った。その一つが階段昇降だ。最初の頃は、手摺をつかまないと脚の上下だけでは階段を上ることは出来なかった。しかも1階から2階へ登るだけで精一杯だった。帰りは、情けないことにエレベータで降りる事となった。
 これと並行して行われたのが、平行棒につかまって腿上げをしながら横移動する訓練だ。腿は床と並行になるまで上げて軸足とクロスするように下ろして行く。端まで行ったら今度は軸足を逆にして反対方向に向かう。これを1回のリハビリで何度か繰り返すのだ。そして、これが連続して出来るようになると、階段昇降での腿上げもスムーズに出来るようになる。

 その様なリハビリを続けていく内に、訓練は屋外へ移っていく。階段昇降を始めてから1週間後だ。屋外歩行はPT付き添いのもと、杖若しくは押し車で病院前駐車場を周回することから始まる。周回といっても1週間ほどかけて漸く1周できるようになったレベル、まだまだである。
 そして階段昇降を始めて2週間後、手摺につかまってだが1階から4階を1往復(これが本当の昇降)が出来るようになっていた。しかし、この時点においても、リハビリテーション室や訓練場所までは、スタッフ付き添いのうえ車椅子での移動しか許可されていなかった。完全自立への路はまだまだ遠い。