OPLLの回復期リハビリ -9-(ロボットを使う-3-)

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3次元動作解析装置・床反射計

 3次元動作解析装置とは、身体の複数箇所(各関節点(※1))に反射マーカーを付け、8台のカメラによって追跡・撮影を行い、歩行などの動作を詳細に3次元解析する装置である。イメージとしては、野球のバッティングや投球フォームなどの様々な運動姿勢・動作を3次元線形で映し出している映像をよく見ると思う。

 マーカーを付けた被測定者は、免振床(※2)の上を歩いている姿をカメラで測定・撮影され、コンピュータで3次元解析が行われる。その結果を見れば、被測定者は自分の身体のどこが傾いて、どう捻じれて、どう軸がブレているのか、そしてどのタイミングで無駄な力が加わっているのか等が一目瞭然で確認できる。
 私の場合、右半身の回復が遅れていたため、解析された線形画像や数値(踏込量、角度、向き、速度等)を見て、歩く時の注意点(どのタイミングで何処に、どの様に、どの方向に力を入れるか等)を念頭にリハビリに励むことができたため、最終的には身体の傾きや癖などが相当改善されたと思っている。

 私が入院していた病院では、この器械を活用して患者のリハビリをサポートしており、歩行やバランスの改善、効果的な治療法の設定など、客観的な評価と治療効果の検証に役立てていた。

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※1 肩峰(上腕と肩の付根にある骨の出張り部)、肘、手首、上前腸骨棘(腰骨外側の前部分にある骨の出張り部)、大転子(腿の外側上部の付根にある骨の出張り部)、膝関節点(大腿骨と脛骨などの接続部位/膝)、足関節点(脛骨、腓骨、距骨を繋ぐ関節部位/足首)、中足骨(足根骨と(足の)指骨の間にある細長い骨/足の甲)、その他測定部位によって変動する。
※2 建物構造部に取り付けられたローラーやダンパー等で構成される免振装置上部に取り付けられた床。「浮き床」とも言われ、三次元(水平・鉛直方向)の揺れの減衰に対応できる。実効性のある詳細なリハビリ・メニューは、精密な測定によって得られた精緻な解析(エビデンス)が不可欠であり、様々な医療器械やロボットはその一翼を担うが、その機器等は外乱が生じにくいベースに設置されて初めて効果を発揮する。このため、医療器械等にとってフラットな環境を付与できる構造物の一つとして免振床がある。