2025年11月24日(月)「回復期リハビリテーション-4-(OPLL自力排泄編)」をアップしました。

回復期リハビリテーション -4-(OPLL自力排泄編)

OPLL-Recovery
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 入院(受傷・発症)当初から私は自力排泄状態ではなかったため、身体には「尿カテーテル[1] 」が装着されていた。
 入院中であれば、看護師等の病院スタッフが畜尿バッグ内の尿を廃棄・洗浄し、且つ患者のカテーテル挿入部の清潔度を管理してくれるので問題ないが、後述する「導尿[2] 」に至らなかった場合、退院後は本人若しくはその家族等が病院で行っている処置と同等のことをしなければならず、これは患者の将来にとって一つの分岐点[3] と言える。

 私が「尿カテーテル」を使用していた期間は約2か月と長かったため、最終形としての自力排泄が出来る確率は高くないと言われていた。加えて、未だ不自由さに事欠かない腕や手指の麻痺で、果たして自力でカテーテルを挿入できるのかは大いに疑問の残るところだった。しかし、無駄に時を費やす訳にも行かず、排泄手段は次の「導尿」に移行する。

© いらすとや

 「導尿」は、当初は3時間おきに看護師が処置してくれる。尿道へのカテーテル挿入時の何とも言えない感触(違和感)は、今思い出しても鳥肌が立つ。二度とあのような経験はしたくない、とは言っても当時は仕方の無い事だったし、処置する方も仕事とは言え汚物を扱う仕事なので、汚染・感染等に気を使わなくてはならず大変だったと思う。感謝しかない。

 「導尿」が始まって1週間ほど経った頃、定時導入ではなく尿意を及ぼした時に行うことになったので、私から「導尿前に便座に座って自力排尿する意識を高めたい」と提案したところ快く了承して貰った。併せて病院側からも膀胱圧縮薬を処方してもらい、自力排尿するための環境が整った。ただし、この方法のタイムリミットは1週間だそうだ。1週間試してみて自力排尿が出来ない場合は、退院後も「導尿」による排尿を継続しなければならない、とのことだ。これは、患者の将来にとって二つ目の分岐点と言える。

 と考えていたのも束の間、翌日夕方には何と自力排尿ができていた。排尿後の残尿(エコー検査)は150ccとまだ多かったが、回数を重ねるごとにそれは徐々に減少していった。ともあれ、その時の喜びは今も鮮明に記憶している。何故ならその日は私の誕生日だったからだ。大袈裟だが、神から貰った誕生日プレゼント、と勝手に解釈している。勿論、病院スタッフも共に喜んでくれた。それだけ患者が自力排泄が出来るかどうかは、今後の行動範囲を決める程の大きな出来事なのだ。

 ◇外部リンク:男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン」 日本泌尿器科学会(編)https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/27_lower-urinary_prostatic-hyperplasia.pdf

  1. 尿カテーテル:膀胱留置カテーテルといい、自力排尿が困難な患者に装着され、尿量を把握する必要がある場合に装着することが多い。カテーテル先端の畜尿バッグに自然滴下にて排尿され、尿は赤血球、白血球、細菌、その他沈渣検査などにより、抗生物質等の薬剤投与の判断に用いる場合がある。原則としてカテーテルは感染防止上長期に使用せず、次の排尿方法として導尿に移行する。 ↩︎
  2. 導尿:一定時間おきに、自らの意志でカテーテルを尿道に挿入し排尿する方法。再利用タイプと使い捨てタイプがあり、使い捨てタイプは再利用タイプと比べ洗浄の手間を省くことが出来るが、長期間の外出時には多数持ち歩かなければならないなど、それぞれ一長一短がある。 ↩︎
  3. 排泄手間の分岐点:尿カテーテルを装着したまま畜尿バッグを常時携帯して行動するということは、感染リスクが高くなり、また尿の排出や畜尿バッグの等の洗浄の手間を考慮した場合、おのずと行動範囲に制限がかかることになるため、健常時と同様な社会活動は難しくなる。 ↩︎