症状の発現箇所
OPLLによる症状が現れる箇所は、例えばどこの(何番目の)頸椎が損傷若しくは変形等しているかによると考えられる。頸椎の中を通っている神経根から各頸椎ごとに分岐している頸神経は、それぞれ支配される身体の領域が違っており、しかも私の経験では、それぞれの神経の接近若しくは交差等により相互影響を与えている可能性もあるため、複雑的な要素を持っている。
私の場合、C2・C3(脳の近く)に強いダメージを受けてしまったことから、首から下の全てに症状を持つに至り、今も後遺症として残っている。
症状の種類と軽重
では、その症状とはどの様なものなのか。「痛み」や「痺れ」や「硬直」など身体に起こる様々な違和感は、人によってその感じ方や強さが違っているため確定的なことは言えないが、ここでは私の場合はこうであるということに限定して話を進める。
◎ 下半身の違和感
下半身では、特に膝から下は常に痺れを感じ、温度や湿度によっては痛みとして感じることもある。足首や爪先がスムーズに動かないため、下り坂や階段の下降は非常に難儀する。
一番の特徴と言えば「足裏」だろう。「難病セミナー」でも多くの患者から意見が出ていたのは足裏の違和感で、例えるのは難しいが、それは「足裏にテニスボールを付けたよう」とか「足裏に肉球を付けたよう」という何とも例えようの無い比喩なのだが、要は常にフワフワした(体幹が安定しない)状態だということだ。
厄介なのは「硬直」で、時々、朝の起き掛けに下半身に強い痛みを伴った筋肉の硬直に見舞われることがあり、暫く起き上がることも出来ない位辛い痛みに襲われる。大腿も常時痺れを感じているが痛みを伴うことは滅多にない。
◎上半身の違和感
肩は常に凝りに悩まされており痛みが伴う事も多々ある。腕や手指も常に痺れを感じており、特に手指においては柔軟な動作が出来ないため、各指を独立して自在に動かせなくなってしまった。
胴体は全体的に軽い痺れが常時あり、繊維の硬い着物を直接羽織るとその感覚は軽い痛みを感じるほど敏感である。
◎全体的違和感
OPLLの特性上、脊椎の靱帯骨化により身体中心部の柔軟性が低くなるため、身体全体の曲げ伸ばしに難儀することが多くなる。即ち、体幹が保ちにくい状態となるため片足立ちの長時間継続が難しくなる。特に、脚立の上がり降りの際は、壁に手を添えるなどの状況でないと非常に危険である。
症状の緩和措置
OPLLによる症状の緩和は「リハビリの継続」に尽きると思っている。しかし、リハビリには様々な方法があり、また個々に得られる効果も千差万別である。
その中でも、リハビリ専門施設に通う事は大きな解決策の一つである。ただし、介護度や介助度によって、かかる負担額に相当の開きがあるため、軽度の障害を持つ者にとっては高い頻度での利用は経済的負担は大きい。
そこで、日常生活に沿ったリハビリが大切となる。身体全体の柔軟性を保つため毎朝のラジオ体操は得られる効果は非常に大きいし、危険性の少ない場所での(軽く汗ばむくらいの)ウォーキングは、心身のリフレッシュにもなりお勧めである。
細かい作業では、出来るだけメモをとることで書く動作を増やすことや、食事の際は小さな食物でも一つひとつ箸で摘まんで食するなど、日常動作の様々なシチュエーションでリハビリを行う事ができる。
大切なことは、これらを継続することで何とか現状が保たれるので、「しない・できない」は後退を意味するということ、要は「自分次第」なのだ。