前回「簡単なリハビリによる体力回復(心筋梗塞編)」までのあらすじ
急性心筋梗塞を発症し、手術後は主治医の指示のもと、負荷の小さなリハビリとしてウォーキングを行うことになりました。しかし、想像以上に体力が落ちている現実を目の当たりにし、大きなショックを受けました。
また、長年続いていた喫煙習慣による強い喫煙欲求にも向き合う必要があり、その気持ちに負けないよう、少しでも身体を動かそうと必死だったことを覚えています。
※注意書き
以下はあくまで私個人の体験談です。心筋梗塞後の運動量やリハビリ内容は、病状や回復状況によって大きく異なります。実際に行う際は、必ず主治医の指示や助言に従ってください。
心筋梗塞リハビリの継続術|計画は細かく、実行は大まかに
― 3日、3週間、1か月、3か月、そしてその先へ ―
表題をご覧になって、習慣化の目安として使われる数字を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれません。私の場合は、リハビリの進み具合をできるだけ実感できるよう、もう少し細かく区切りながら取り組みました。
「どれくらいの時間歩いたのか」「どのくらいの距離だったのか」は、簡単にですが毎日書き留めていました。ただ、日によっては気分が乗らなかったり、身体が重く感じたりすることも少なくありませんでした。
振り返ってみると、むしろそのような“波のある日”の方が多かったように思います。
それでも、「前回の区切りより、ほんの少しでも前に進めていれば良し」と考えるようにしていました。計画は細かく、実行は大まかに。このくらいの気持ちで向き合わないと、私のような飽きやすい性格では続かなかったと思います。
雪国の冬をどう乗り越えるか?室内歩行という選択
平日のリハビリは、仕事を終えた後に行っていました。体力が十分に戻っていない時期だったため、歩数はなかなか伸びません。
そこで休日に少しでも多く歩こうとするのですが、慣れていないため、どうしても出だしが遅くなってしまいます。
低温が心臓に与える負担と、ルームランナーの導入
その結果、発症から3か月ほど経った年の12月頃までは、思うような変化を感じられませんでした。
さらに、住んでいる地域では12月中旬には初雪が降り、年末には根雪になるのが恒例です。外気温も日中で5℃前後まで下がり、屋外でのウォーキングは身体への負担が大きいと感じるようになりました。
「このままでは続けられないかもしれない」と考え、雪国ではやむを得ない選択として、室内でも安全に歩行運動ができる環境を整えることにしました。
私が導入したのはルームランナーです。心臓への負担を考え、時速1km程度のゆっくりとした歩行から軽いジョギングまで、細かく設定できることを条件に選びました。
自分の体調に合わせて無理なく、かつ天候を気にせず継続できる環境が整ったことは、その後のリハビリにおいて大きな転換点となりました。私が実際に使用したモデルは、低速設定が可能なため、リハビリ初期の足元が不安な時期でも安心して使用できました。
※体調や病状には個人差があります。運動内容については、必ず主治医の指示を優先してください。
半年で1日4000歩へ。無理のない目標設定
冬の間、積雪は1メートル近くに達し、最低気温が氷点下10℃を下回る日もありました。そのような環境の中でも、室内で安全に歩く習慣を続けられたことで、少しずつ体力が戻ってきたのを感じるようになりました。
発症から半年ほど経った3月頃には、仕事や日常生活での歩行も含め、1日あたり約4000歩を、体調を崩すことなく無理なくこなせるようになっていました。
発症から1年後の変化|1日1万歩とサイクリングを楽しめるまで
雪解けは3月中旬でしたが、朝晩の冷え込みは続き、春らしさを感じるまでには時間がかかりました。それでも日中の気温が上がるようになると、休日には再び屋外を歩くようになりました。
景色の変化を感じながら歩くことは、気分転換にもなり、室内とは違った良さがありました。
この頃の歩数は1日4000~5000歩程度でしたが、歩く速度はゆっくりで、距離としては2kmほどでした。決して満足できる数字ではありませんでしたが、「以前よりは確実に動けている」と思えることが励みになっていました。

”リハビリのため自転車を漕ぐ男性”
© いらすとや
季節が進むにつれ、晴れる日も増え、気持ちにも少し余裕が出てきました。
発症から9か月ほど経った頃には、平均で8000歩ほど歩ける日が増え、歩幅や歩く速度も自然と大きくなってきました。
この頃になると、むしろ歩けない日があると落ち着かなく感じることもあり、天候が極端に悪くない限り、雨具を使いながら散歩を続けていました。
夏を迎える頃(発症から約1年)には、1日の歩数が1万歩を超える日も出てきました。さらに休日には、自転車で片道10kmほどの距離を、無理のない範囲で楽しめるようになりました。
【まとめ】早期受診が未来を変える|後悔を希望に変えるために
このように、季節や体調に合わせて無理のない範囲で身体を動かすことを続けた結果、2年ほど経った頃には、胸の痛みや息苦しさを感じることはほとんどなくなりました。
血圧や血液検査の結果も安定し、日常生活で強い疲労感を覚えることは少なくなりました(現在も、処方された薬は毎日服用しています)。
その一方で、「もっと早く自分の身体と向き合っていれば」という思いが、今でも心に残っています。
もし日常の中で、「いつもと何か違う」「胸のあたりに違和感がある」「肩や背中の痛みが続く」といった状態が気になるようでしたら、迷わず医療機関を受診してみてください。
忙しさを理由に受診を後回しにしてしまう気持ちは、私自身もよく分かります。しかし、早めに相談することで、大事に至らずに済むことも少なくありません。
何もなければ、それで安心できますし、もし小さな変化が見つかれば、早い段階で対応することができます。
身体は一度大きく調子を崩すと、回復には時間がかかることもあります。
私自身の経験が、どなたかの「受診してみようかな」という小さな後押しになれば、これほど嬉しいことはありません。身体は一度大きく崩すと、元の状態に戻すまでに時間と労力がかかるものだと、身をもって感じています。
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そして、心臓のリハビリを乗り越えた先に、それまで抱えていた首への違和感が最悪の事態をまねくことになります。
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