後縦靭帯骨化症(OPLL)の回復期リハビリ|自力排泄のための尿カテーテル離脱【OPLL2-4】

後縦靭帯骨化症
この記事は約5分で読めます。
※当サイトはアフィリエイト広告(もしもアフィリエイト)を利用しています。掲載内容にはプロモーションを含む場合があります。
※当サイトの記事は、筆者が実際に専門家の指導のもとで行ってきた治療・リハビリの体験をもとに記しています。治療方法や経過には個人差があり、すべての方に当てはまるものではありません。実施にあたっては、必ず主治医やリハビリ専門職にご相談ください。

 入院当初から私は自力排泄状態ではありませんでしたので、身体には「尿カテーテル」が装着されていました。

 入院中であれば、病院スタッフが蓄尿バッグ内の尿を廃棄・洗浄し、且つ患者のカテーテル挿入部の清潔度を管理していただけるので問題ありませんが、後述する「自力排泄」に至らなかった場合、退院後は本人、もしくは家族が病院で行っている処置と同等のことを担う必要があります。

これは、患者にとって一つの大きな分岐点と言えるでしょう。

 私が「尿カテーテル」を使用していた期間は約2か月と長かったため、最終形としての自力排泄が出来る確率は高くないと言われていました。

自立への通行許可証。それは当たり前の日常を取り戻すための、必死の挑戦。
“自立への通行許可証。それは当たり前の日常を取り戻すための必死の挑戦”

© いらすとや

 加えて、私が患っている後縦靭帯骨化症(OPLL)の後遺症として、未だに麻痺が残り不自由さに事欠かない状態です。このような腕や手指で、果たして自力でカテーテルを挿入できるのかは大いに疑問の残るところだったのです。しかし、無駄に時を費やすわけにもいかず、排泄手段は次の「導尿」に移行します。


カテーテル挿入の違和感と、看護師さんへの感謝

 「導尿」は、当初は3時間おきに看護師が処置してくださいました。尿道へのカテーテル挿入時の何とも言えない感触(違和感)は、今思い出しても気持ちの良いものではありません。二度とあのような経験はしたくない、とは言っても当時は必要不可欠なことでしたし、処置する方も仕事とはいえ汚物を扱う仕事ですから、汚染・感染等に気を使わなくてはならず大変だったと思います。感謝しかありません。

自力排尿を目指すための「環境づくり」と排尿促進薬

 いよいよ「排尿リハビリ」がはじまります。
 「導尿」が始まって1週間ほど経った頃、定時導尿ではなく、尿意を感じた時に行うことになりましたので、私から「導尿前に便座に座って自力排尿する意識を高めたい」と提案したところ、快く了承していただきました。
 併せて病院側からも排尿促進薬を処方してもらい、これで自力排尿するための環境が整いました。まさに『チーム自力排泄』と呼びたくなるような、病院(整形外科、内科、泌尿器科)と患者が一体となった出来事でした。

 ただし、この方法のタイムリミットは1週間。1週間試してみて自力排尿が出来ない場合は、退院後も「導尿」による排尿を継続しなければならない、とのこと。これは、患者の将来にとって二つ目の分岐点と言えます。
 なぜなら、自力排尿が出来なければ、患者の行動は大きく制約されます。私が病院で経験し、また聞き及んだ話を要約すると次の2つです。

自力排尿ができない場合の「2つの制約」

  • 蓄尿バッグの管理: 車椅子や歩行器に下げて移動する必要があり、定期的な廃棄・洗浄が欠かせない。
  • 導尿セットの携帯: 外出時も常にカテーテル一式を持ち歩き、清潔かつ安定した場所を確保して処置しなければならない。

 これらを考えると、自力排尿がいかに大事なことか分かっていただけたでしょうか。


エコー検査で確認する残尿量と、広がる可能性

 大きな転換点は、尿意を感じて何回目かに便座に座ったとき、《小水を出した後、しばらくしてもう一度力を入れると、実際には出ないのですが「そこまで来ている」感覚》があったのです。 

 そして、それはいきなりやって来ました。

 なんと、翌日夕方には自力排尿ができていました。エコーによる排尿後の残尿検査は150ccとまだ多かったものの、回数を重ねるごとにそれは徐々に減少していきました。ともあれ、その時の喜びは今も鮮明に記憶しています。

なぜなら、その日は私の誕生日だったからです。

 大袈裟ですが、神から貰った誕生日プレゼント、と勝手に解釈しています。もちろん、病院スタッフも共に喜んでくださいました。
 それだけ、自力排泄ができるかどうかは、今後の行動範囲を決める大きな出来事なのです。


**「後縦靭帯骨化症(OPLL)リハビリ目標一覧」**

項目訓練内容(目標)当事者にとっての重要性達成度
1自力での寝返り・起き上がり全ての動作の基本。自立への第一歩。
2スマートフォンの操作家族や職場とつながるための「命綱」。
3自力での排泄管理人としての尊厳を守るための最大の難関。
4ペンでの筆記(字・図)書類作成など、社会復帰に欠かせない能力。
5箸を使っての食事補助なしで「食べる喜び」を取り戻す。
6着替え(更衣動作)介助なしで生活するための必須スキル。
7車椅子への移乗移動範囲を広げ、寝たきりから脱する境界線。
8歩行器等での自立歩行最終的には補助具に頼らない歩行を目指す。
9薬の自己管理持病(心筋梗塞など)の再発を防ぐ生命線。
10PC操作(キー・マウス)仕事復帰(デスクワーク)への具体的な指標。×
11自動車の運転生活圏を広げ、元の社会生活に戻るための鍵。×

※達成度・・◎:達成、〇:ほぼ達成、△:挑戦中、×:未達

今回の「出口のリハビリ」の成功により、最も困難だと思われていた目標を一つクリアすることができました。

  • 目標3:自力排泄ができるようになること(目標達成!尿カテーテル・導尿から完全離脱)
  • 目標6:着替えができるようになること(排泄への不安が消えたことで、身の回りの動作への意欲が向上)

 社会復帰、そして自由な外出への「通行許可証」を手に入れた。そんな晴れやかな気持ちで、次のリハビリへと進むことができました。


次はいよいよ自立歩行のためのリハビリテーション模様です。
この続きは「後縦靭帯骨化症(OPLL)の回復期リハビリ|自立歩行と階段昇降への挑戦【OPLL2-5】」でお待ちしています。 
引き続き、無理のない範囲でお読みいただければ幸いです。