緊急入院~手術(OPLL編)

OPLL-Acute
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緊急入院~ICU(集中治療室)

 後縦靭帯骨化症(OPLL)を発症し市外総合病院に緊急入院したのだが、日頃より恐れていたことが現実となり、手術は暫くお預けとなった。それは、6年前の心筋梗塞(MI)発症から続いている服薬が原因だった。

 私が常飲している薬には抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)、ACE阻害薬(心筋の負担を軽減する薬)、β遮断薬(心拍数を下げ心臓の負担を軽減する薬)などがあるが、特に抗血栓薬には「出血したら止まりにくい」という現象が起きるため、手術などの身体切開時には常人以上の注意を必要とする。
 このため暫く自身での内服を止め、点滴により薬剤量をコントロールして手術に挑むことになった。担当医からの目安は約2週間。それまでICUで過ごすことになったのだが、ICU内では経口食を摂る事が出来ず点滴だけで栄養を取っていたため、これも空腹と闘わなくてはならず結構辛い思いをした。
 頸椎にダメージを負うということは、その中にある神経束にダメージが掛かるということ。どの様なダメージかは想像も出来ないが、結果として出てきた症状の一つは「体温コントロールが正確に出来なくなった」ということで、病衣だけにもかかわらず汗が止まらない。保冷剤を脇や脚の付け根に置いてもらって漸く汗が止まるレベル。それでも何となく暑い、と感じている。
 この体温コントロールが出来ないことと多少の関係があるかも知れないが、十数年経った今でも真夏にシャワーを浴びるとき、急に冷水が(特に脚に)掛かったときは、筋肉が硬直して痛みさえ感じて動けなることがあるくらい深刻なレベルである。
 そんな暑さとの闘いを3週間近くしながら迎えた2月1日。念願?の手術日がやってきた。

手術

 手術は、脊柱管を拡げる「椎弓形成術」という術式で、首の後方を切開して脊柱管を構成している椎弓の一部を切り取り、神経の圧迫を取り除く方法だそうだ。この手術によって、今後もし頸椎に多少の圧力がかかったとしても、骨間のギャップによって神経根をつぶさないようにする為らしい。だからと言って転倒しても良いという訳ではない。
 全身麻酔で眠っていたため自覚はなかったのだが(当たり前か)、手術時の状態はうつ伏せだったらしい。術前は仰向けだったので、どうやってうつ伏せにしたのかは聞けずに終わったのだが、とにかく目が覚めたら終わっていた、という状況。

 処置は大成功に終わり、出血量も僅か10ccで済んだとのこと。ブラックジャックのような人がいたんだ、と感心した。しかし、相変わらず私の首から下は微動だにしない。相当な強さで神経根を圧迫若しくは損傷したに違いない。
 おまけに首に僅かな負担もかけてはいけないため、「フィラデルフィアカラー」と呼ばれる顎受け付きの頸椎カラーによって、ただでさえ動けない身体をもっと動けなくしてしまっていた。唯一の救いはベッドのマットレスが定期的にゆっくり波打つように動いてくれるので身体、特に背中から臀部へのストレスは多少緩和されていた。

 暫くICUで術後を過ごした後、SS(スタッフステーション。以前はナースステーションとも呼ばれていた)横の個室に移された。身体が動かないのでNC(ナースコール)ボタンを押すことが出来ないため、スタッフが常駐しているSS横への移動となった。暫くはここで入院生活を送ることになる。